【読書メモ】新装版 翔ぶが如く (4) (文春文庫) 司馬 遼太郎
翔ぶが如く第4弾。
本章の主軸は薩摩に隠居してしまった西郷隆盛とその居ぬ間に起こる征台論。
この事実は知らなかった。
実際に出兵までしているのに存在すら触れられていないのだと知る。
西南戦争までまだ巻があるなと思っていたので納得した。
動きこそないが面白いのは各人の思考。
やはり実際の外遊をした人間たちと外遊することなく伝聞で情報を得た者たちには溝ができている。
見てきた世界によって形成される思考の差異とは。
「外遊組の薩摩士族は、外国から日本を見てしまったことで、薩摩独特の『私』という倫理観が後退してしまった」